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2007/04/15

「老舗」 日本の文化遺産

世界最古の会社は日本にあります。その名は「金剛組」。寺社の建築を請け負う宮大工を束ねる建設会社です。創業は578年,飛鳥時代という古さ。
聖徳太子が百済から招いた宮大工の金剛さんが設立者です。以来創業1400年以上というぶっちぎりの老舗です。

この他にも、日本には創業1000年を越える老舗が数多くあり、創業100年以上の老舗に至っては1万5千社にのぼるということです。

このように老舗がたくさん生き残っている状況は世界でもかなり珍しいようです。例えば植民地支配を受けていたアジアの国々では、会社が長く存続するのは困難で創業100年を超える会社もめったにないということです。
ちなみに、お隣の韓国では、創業80年が最古だそうです。また、ヨーロッパは比較的、老舗が多いようですが、最古のものでも、640年に満たないそ
うです。

ではなぜ、日本に老舗が集中しているのか。野村進さんは、著書「千年、働いてきました」の中で、その理由は日本独特の文化によるという仮説を紹介しています。

    千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン

私なりに要約すると老舗を育んだ日本文化の特徴は次の2つです。
①労働を尊び、職人を敬う文化
②会社は社会のためにあるという考え方
そして、この2点を成立させた前提として、人と人との信頼関係や、国民が政府を基本姿勢としては信用するという意識があります。確かにこれらの条件を満たす国は、なかなかありそうもありません。

昨年、ライブドア事件をきっかけに、「会社は誰のものか?」という議論が盛り上がりました。バブル崩壊によって戦後の日本式資本主義の限界が指摘され、アメリカ型の弱肉強食、効率重視の資本主義が一気に導入され始めました。外資系ファンドは、次々と日本企業を買収し、会社は社長や社員の
ものでなく、株主のものだという理論で合理化を進めました。

しかし、そんな時代の荒波にもまれながらも、したたかに生き残った多くの老舗企業。
それを支えたのは「会社は社会のもの」という高い志で培った信用や、使命感を持って本業から離れなかった地道な経営だったのではないのでしょうか。

老舗と言うと何やら閉鎖的なイメージもありますが,日本の老舗は、和を重んじる風土や勤勉な国民性、志の高さが成し得たもの。
世界に誇れる文化遺産とも言えるのではないでしょうか。

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