« 偶然と必然の間③ ~アガスティアの葉~ | トップページ | 国益とインテリジェンス »

2007/01/01

2つの民主主義 ~不平等か不自由か~

しばらくスピリチュアル系の話が続きました。今日は一変して政治の話です。

人は物事を評価したり判断する時に,必ず基準を必要とします。そんな時,基準となる座標軸を与えてくれるのが教養。教養豊かな人は常に大きな視点から物事を捉えることができます。

日本とフランス 二つの民主主義 」という本を読みました。本書は,政治や経済を判断するための教養を与えてくれます。

       日本とフランス  二つの民主主義

日本やフランスを例に,民主主義の分類について述べた書です。こんな基本的とも言える知識が,広く誤解されているのに驚き,また,自分自身も誤解していた事を恥ずかしく思いました。

最も重要な座標軸となるのが「自由」と「平等」
民主主義では,「自由」と「平等」の両立は非常に困難で,むしろ対立した概念と言えます。

「自由」を目指す民主主義(=自由民主主義)は,アメリカ,日本型。税金を下げ,規制を緩和し,自由競争を奨励。「小さな政府」「地方分権」を指向します。保守右派とも呼ばれ,変わりに不平等な格差社会となる傾向があります。

「平等」を目指す民主主義(社会民主主義)は,フランス,ヨーロッパ型。税金を増やし,福祉を充実させ,「大きな政府」「中央集権」を指向します。革新,左派とも呼ばれ,変わりに規制が多く,不自由な社会となる傾向があります。

この分類は,世界のスタンダードであり,指摘されると確かに筋が通っています。しかし,日本の現状,あるいは私達の感覚からは?がつく所もありますね。

例えば日本では過去に,保守である自民党が,規制が多く中央集権的な政治を行ってきました。また,革新を名乗る政治家が規制緩和や地方分権を訴えました。これらは,世界のスタンダードな座標軸からはずれています。

このような政策や主張が,対立軸を曖昧にさせ,政治を分かりにくくさせていた。また,ひいては2大政党制をはばんでいた原因かもしれません。

小泉首相は,「自民党をぶっつぶす」と言いました。しかし,座標軸から見ると,規制緩和や小さな政府を目指す政策は,自民党としてごく当たり前のものだったのです。

このように,本書は政治を読み解く教養を与えてくれます。一読してみてはいかがでしょうか。

|

« 偶然と必然の間③ ~アガスティアの葉~ | トップページ | 国益とインテリジェンス »

その他コラム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/134841/4759711

この記事へのトラックバック一覧です: 2つの民主主義 ~不平等か不自由か~:

« 偶然と必然の間③ ~アガスティアの葉~ | トップページ | 国益とインテリジェンス »